就職活動で落ち続けると無力感を抱いてしまうのは、しかたがないことです。
それでは、そこから再びモチベーションを上げるにはどうしたらよいのでしょうか。
ひとたび無力感におちいった人を、そこから救うてだてはないものでしょうか。
じつは、実験を行ったセーリックマンは臨床家でもあるので、
この問題にも興味をもっていくつかの実験を行なっていました。
ひとたび無力感におちいった犬は、ショックを回避しようと自発的な行動を示すことが少ないのです。
したがって犬は「行動によってショックを回避できるのだ」ということをみずから学ぶことが必要になってきます。
そこで犬に学ばせるためには「強制」が必要になってくるのです。
つまり、文字どおり彼らの首に綱をつけてひっぱっていくことが必要なのです。
人が犬を引っぱって部屋の反対側につれていくのです。
もちろん、犬は無気力になってジャンプしないから、
はじめは柵を一時的に取りはずしておかないといけません。
しかし、25回から200回もこうした強制的にひっぱると、
そのうちに彼らはみずから反応しはじめるようになりました。
その段階で実験者は、再び柵を導入し、それを段々高くしていくのです。
つまり、犬がその柵を軽く跳び越すことができる程度にしておくのです。
このように犬に柵を跳び越すことを教えて、電気ショックから解放されることを教えていきます。
犬は(ネズミも同様に)、無力感から完全に立ち直ることができました。
はじめは犬を動かすのにひどく力がいるらしいのです。
反対側に移るのに抵抗する犬さえいるからです。
しかし、そのうちに強制する力はだんだんかからなくなりました。
これは一種の心理療法ともいえるのです。
つまり、犬に一定の助けを与えて、
自発的に行動することの意味をわからせようとするものだからです。
セーリックマンたちは、治療ばかりでなく予防も試みている。
ハンモックに入れられて回避できないショックを受ける前日に、
10回だけ実験箱に入れられ、そしてみずからの行動によってショックが
避けられるということを学習しておいた犬の場合には、
避けられないショックの悪影響はなかった。
さらに後の研究では、ハンモックに入れられたさいに、
パネルを鼻で押すことによってショックから逃れられるという経験をしたあと、
今度は、同じハンモックのなかで逃れられないショックを経験した場合にも、
やはり悪影響は残らなかった、ということがわかっています。
いったい、どれほどの免疫を与えておけば、
自分の力ではなんともならない苦痛にさらされたときにも、
無力感におちいらなくてすむかというのはこれからの問題ですが、
せめて、無力感を予防することはできそうです。
次回につづく。
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