2011年04月28日

じゃ無気力になったらどうするの?

犬だって自分ではどうすることもできないと思えば、無気力になるのだから、

就職活動で落ち続けると無力感を抱いてしまうのは、しかたがないことです。

それでは、そこから再びモチベーションを上げるにはどうしたらよいのでしょうか。

ひとたび無力感におちいった人を、そこから救うてだてはないものでしょうか。

じつは、実験を行ったセーリックマンは臨床家でもあるので、

この問題にも興味をもっていくつかの実験を行なっていました。

ひとたび無力感におちいった犬は、ショックを回避しようと自発的な行動を示すことが少ないのです。

したがって犬は「行動によってショックを回避できるのだ」ということをみずから学ぶことが必要になってきます。

そこで犬に学ばせるためには「強制」が必要になってくるのです。

つまり、文字どおり彼らの首に綱をつけてひっぱっていくことが必要なのです。

人が犬を引っぱって部屋の反対側につれていくのです。

もちろん、犬は無気力になってジャンプしないから、

はじめは柵を一時的に取りはずしておかないといけません。

しかし、25回から200回もこうした強制的にひっぱると、

そのうちに彼らはみずから反応しはじめるようになりました。

その段階で実験者は、再び柵を導入し、それを段々高くしていくのです。

つまり、犬がその柵を軽く跳び越すことができる程度にしておくのです。

このように犬に柵を跳び越すことを教えて、電気ショックから解放されることを教えていきます。

犬は(ネズミも同様に)、無力感から完全に立ち直ることができました。

はじめは犬を動かすのにひどく力がいるらしいのです。

反対側に移るのに抵抗する犬さえいるからです。

しかし、そのうちに強制する力はだんだんかからなくなりました。

これは一種の心理療法ともいえるのです。

つまり、犬に一定の助けを与えて、

自発的に行動することの意味をわからせようとするものだからです。

セーリックマンたちは、治療ばかりでなく予防も試みている。

ハンモックに入れられて回避できないショックを受ける前日に、

10回だけ実験箱に入れられ、そしてみずからの行動によってショックが

避けられるということを学習しておいた犬の場合には、

避けられないショックの悪影響はなかった。

さらに後の研究では、ハンモックに入れられたさいに、

パネルを鼻で押すことによってショックから逃れられるという経験をしたあと、

今度は、同じハンモックのなかで逃れられないショックを経験した場合にも、

やはり悪影響は残らなかった、ということがわかっています。

いったい、どれほどの免疫を与えておけば、

自分の力ではなんともならない苦痛にさらされたときにも、

無力感におちいらなくてすむかというのはこれからの問題ですが、

せめて、無力感を予防することはできそうです。

次回につづく。




posted by くまさん at 13:29 | Comment(0) | 就職活動と無力感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月26日

やっぱり落ち続けると無力感になる

この前の記事では動物の実験で動物も無気力に陥ることがわかりました。

さて人間の場合はどうなのでしょうか。

これを最初に実験しようとした人がいます。

それがヒロトという人です。

彼は大学生を被験者として、苦痛に感じるほど大きな騒音を聞かせる、という実験を行なったのです。

第一のグループでは、被験者はボタンを押すことによってこの騒音を止めることができます。

しかし第二のグループでは、どうやっても自分の力で騒音を止めることはできないようになっています。

第二グループは、第一のグループの対応する被験者が経験したのと同じ回数、同じ長さの騒音を聞かされるわけである。

第三のグループはこうした騒音にさらされることはありませんでした。

そのあとで、半分に仕切られた箱のなかに手を入れさせて、

騒音が与えられたさいに反対側の半分に手を動かすとそれを止めることができるという装置を使ってテストが行なわれました。

こんな簡単な反応でしたが、動物でみられたのと同じように、

第二のグループの(自分の力で騒音を止められなかった)被験者は、騒音からうまく逃げることができませんでした。

たいていの人は、ただすわりこみ、この不快な音をだまって聞いていたのです。

この実験は、動物実験の場合よりも、若干複雑でした。

なぜならば、彼の被験者の半分は、このテスト課題、つまり手を反対側に移動すれば騒音を止められる課題は、うまくやれば解決の見つかる「技能のテスト」であると告げられていたのです。

残りの半分は、この課題の解決は、その度カンにたよって見つけるものだといわれていました。

彼は、カンにたよるしかないと言われた被験者のほうが、どの条件下でも無気力になりやすいことを見出したのです。

さらに彼の実験での被験者の半分は、物事の成功・失敗を自分自身に原因があるとみなしがちな傾向をもっていました。。

残りの半分は、成功・失敗を自分には責任がないとみなしがちな人たちでした。
これはあらかじめ質問用紙で調べてありました。

ここでもまたヒロトは、ものごとの成功・失敗は自分のコントロールできないものだ、

つまり偶然や、運・不運によって決まると考えている被験者のほうが無気力になりやすいことを見出したのです。

ちなみに、自分の努力では除去できない騒音にさらされると

無力感におちいりやすいことは、現実場面でも見出されています。

ロスアンジェルス国際空港近くの騒音地区の小学校

(ここでは、2分半に1機の飛行機が飛ぶ)

の3〜4年生と騒音がない地区の3〜4年生とで、

パズルを解くときの粘り強さを比較した研究があります。

それによると、騒音地区の子どもは、

少しむずかしい課題を与えられると、

すぐあきらめ投げ出してしまう傾向がありました。

制限時間ぎりぎりまで問題に取り組みつづけることは少なかったのです。

ヒロ卜たちのその後の実験では、苦痛な騒音を聞かせるかありに、

解決不能な問題を与えるという手続きがとられています。

つまり、いくら努力しても解けない問題を与えられたあとでは、

自分の力によって回避できる不快な経験をそのまま受動的に受け入れてしまう傾向が強くなるかどうかをみょうとしたわけです。

彼らの結果は、大体において動物実験の仮説を支持するものとなっています。


この事例や実験をみてもわかるとおり、

就職活動で数十社からも落ちる報告をもらうと、

無気力感に陥るのはしかたがないことでしょう。

それではどうしたらいいの?

それは次回に続きます。



posted by くまさん at 17:07 | Comment(12) | 就職活動と無力感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月21日

自分の行動でコントロールできないと無気力になる

前回、犬を電気ショックにかけると、無気力になる記事を書きました。

3分の2の犬が無気力になったのは、

ショックを数十回もお見舞いされたためではないかと考えることもできます。

この考えをなくすため、セーリックマソは別の実験を行なっています。

その実験では、犬を三つのグループに分けたのです。

第一のグループは、ハソモックのなかでショックを受けるのですが、そのときに鼻で板を押すとショックを止めることができるようになっています。

したがって、体を動かしてショックを止めるという犬もでてきます。

第二のグループは、第一のグループの対応する犬と同じ回数、同じ長さのショックが与えられますが、この犬は自分の行動によってショックを止めることはできません。

第三のグループはいっさいショックを受けない群です。

このまえと同様、24時間後に実験箱に入れ、

柵を跳び越えることによってショックを回避するという学習を行なわせてみました。

この第二の群、つまり自分の行動によってショックが回避できないという経験をもった群においてのみ、結果が悪いことがわかりました。

第一群は、全くショックを受けなかった犬と同様に正常に反応したのです。

鼻でパネルを押すかわりに、ただじっとしていれば、

ショックが止まるという条件にかえて実験したが、結果は全く同じでした。

つまり、ショックがどれほど続くかが、

自分の行動によって変化するというかぎりは、

その経験が悪影響をもたらすことはないのです。

しかし、ショックの回数や長さが、

自分の行動と無関係に決まっているのだということを学ぶと、

それは犬たちを無気力にさせるらしいのです。

セーリックマンは精力的に実験を重ね、

犬だけでなくネズミやネコについても、

やはり無力感が獲得されることを確かめました。


さらにここで、この無力感がもともとそれが獲得されたのとは

非常にちがう場面にまで影響してしまうということです。

すでにみた実験でも明らかなように、

ハンモックのなかで回避できないショックを受けると、

それは実験箱での行動に影響します。

ネズミの場合でいえは、

木に登ることによってショックを回避しょうとしてそれが

できないという経験をしたあとでは、

水のなかから泳いで脱出しなければいけないというさいにも、

うまく泳げませんでした。

そればかりではなく、

いつもあるはずのエサがないことがわかったとき、

普通のネズミは腹を立ててそこから跳び出してきますが、

ショックを受けたネズミは、

この事願に対しても、ただおとなしくそれを受け入れてしまうようにみえたのです。

セーリックマソたちは、

回避できない苦痛刺激に繰り返しさらされることは、

三つのマイナスの効果をもつといいます。

1.環境に能動的に反応しょうという意欲が低下すること。

2.学習する能力が低下すること。

3.情緒的に混乱すること。

実際、回避できないショックを受けたあとで、

実験箱のなかでさまざまな行動を試みる犬もいるのです。

しかし、その場合にも学習の仕方は遅くなりました。

また、回避できないショックが与えられると、

食欲が低下したり、血圧が上がったりすることも見出されています。

次回につづく。
posted by くまさん at 22:53 | Comment(0) | 就職活動と無力感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月19日

犬だって無気力になりますよ

セーリックマンという研究者は、電気ショックを使って犬に条件づけを行なう研究をしていたさい、

繰り返し逃れることのできないショックにあった犬が、

別の学習場面におかれたときにも、きわめて無気力で、まぬがれることのできる電気ショックをも避けようとしない、

ということを偶然見出したのです。


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(写真の犬は関係ありません)

そこでセーリックマンは、この現象をもっと体系的に研究しようとして実験をはじめたのです。

セーリックマンたちが行なった実験は次のようなものでした。

犬を被験体として無力感を獲得させることから始めました。

まず、1日目にハンモックのなかに縛られ、

そして数十回に及ぶ逃れることのできない電気ショックを与えられます。

このショックは数秒間続き、そしてある程度苦痛ですが、

体に損傷を残すというほどのものではありません。

特徴的なのは、このショックが、なんの予兆もなしに与えられて、

また時間的にも、いつおこるか全くわからないということです。

次の日にこの犬は実験箱のなかに入れられます。

そこでまた電気ショックをお見舞いされますが、

今度はショックに先立って信号(あかりが暗くなる)が示されたのです。

また、適切な行動をすれば、

電気ショックを避けることができるようになっているのです。

つまり、箱が半分に仕切られていて、

間が柵で仕切られています。

電気ショックがきたらこの柵を跳び越えて反対側に移ればよいのです。

もちろん、犬がどちらの半分にいるときにも電気ショックはくるから、

絶対的に安全だと場所はありません。

しかし、信号がきてから10秒たつまでのあいだに反対側に跳び越せることができれば、

電気ショックにはあわなくてすむのです。

また、電気ショックがきてからでも、反対側に移りさえすれば、すぐにショックから逃れうるようになっています。


犬はもはやハンモックに縛りつけられているわけではないから、

動こうと思えば自由に動き回ることができるのです。

セーリックマンは、約百五十頭の犬を、

このような実験事態において行動観察しました。

ところが、このうちの約三分の二の犬は、

ひどく無気力で、ショックがきたときにちょっとあわてて動き回ってはみせるものの、

すぐにあきらめてショックをただ耐えるだけ、という反応ぶりを示したのです。

残りの三分の一の犬は、ハンモックで電気ショックを全然経験しなかった犬と同様、全く正常に反応しました。

彼らは最初の電気ショックに対して当惑し、いろいろな反応をしました。

そのうちに、たまたま柵を跳び越して隣側へいくと

電気ショックがこなくなるということもわかりだしました。

こうした経験のあとでは、彼らは次にこの反応をとることがずっと早くなりました。


50回もやっていると、彼らはすっかりこの実験になれてしまって、

はじめから柵の近くに立っているのです。

そして信号がくると、さっさと反対側に移って見事にショックを回避したのでした。

セーリックマンは、3分の2の犬は無気力になるのは、

電気ショックを何十回もお見舞いされたせいではないかと考えました。

そこで、次の実験を試みた。

次回に続く。
posted by くまさん at 11:22 | Comment(0) | 就職活動と無力感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月05日

就職活動でおちいる無力感

いくら努力したところで、自分のおかれている就職活動という「ひどい」事態に、

なんら良い方向への変化が生じそうもないと信じてしまう。

そして、すっかり意欲を失っているのが無力感というものです。

どのようなことが「ひどい」と認知するかは、人によってさまざまです。

面接に落ちつづける。

エントリーシートを送って断われる。

圧迫面接される。

パワハラ、セクハラまがいのことをされる。

就職活動にはひどい事態というものが現に存在しています。

それでも、「なんとかこの事態を切り抜けられるのではないか」と思っているうちは、まだいいです。

事態がひどいものでも、改善をめざして精力的に動けることもあります。

しかし、「自分の努力ではなんともならない」と思ったらどうでしょうか。

たいていの人は、適応な行動をとることができず、精神的にもひどく混乱してしまうでしょう。

たとえば、ある種の病気では、生存がおびやかされ、

しかも、努力によって振り除くことができない場合はどうでしょうか。

修行をつんで悟りをひらいたはずのお坊さんでさえ、

ガンだと聞かされたとたんに生きる気力を失って、

数日を経ずして亡くなったというような話を聞いたことがあります。

本人がそう思ったときから、人間はよりよく生きようとする意欲を失いがちなのです。

肉体的な苦痛でなくても、人々を無気力にさせることは、しばしばあります。

痛みも、原因やどうやったら避けられるかがわかっているのなら、その対処方法もわかるでしょう。

たとえば、飲みすぎで二日酔いは、不快なものですが、

原因もわかっており、かつそれを避けるための方策もあるから、
(ウコンの力を飲むとかね)

自分で改善することが可能なものです。

だから、一時的には落ち込んでも、すぐ回復して、必ずやその事態に前向きに取り組むことができるだろう。

しかし、原因不明の痛みが、それも自分の生活と無関係におこってくるとしたらどうでしょうか。

さらに、その痛みがいつくるかという不安にさいなまれ、

また痛みが生じたときには、

それに対する有効な処置もないままにただ耐えなければならないとしたら・・・。

これはやはり人を絶望的にさせます。


この仮説を見事に証明したのがマーティン・セリグマンという人です。


マーティン・セリグマンは「獲得された無力感」に関する実験的研究のおかげで、1976年にアメリカ心理学会から研究者のための賞をもらっています。

彼がどんな実験をして証明したのかは、

次回につづく。

知っていますか?

ニキビは病気!!生活向上WEB



posted by くまさん at 12:54 | Comment(6) | 就職活動と無力感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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